2012年02月11日

今年の熊君

2011.8 草刈りをはじめて今年も熊君の動向が見え始めた。
昨年は2頭が捕獲処分されたのに、どの装置も熊君の行動の痕跡がある。幸いで会うことはないが寝床あり、熊道あり、前日の刈り草の上に脱糞ありで、ごく身近に彼の視線を感じている。
最近は脚力の衰えと視力の低下でトラクターの上とはいえ、やはり恐怖。我が見浦牧場のトラクターはキャビンがない。最高50年前の年代物から2−30年の車歴を誇る強者たちだからキャビンなる高尚な設備はついていない。もちろんヒーターもステレオも影も形もない。
したがって熊君に襲われたら作業機を振り回して抵抗しようと心に決めてはいるが、昨年はトラクターの直前を横断され、「何、熊か?」と驚いたのだから、作業中も進駐は穏やかではない。

今年は深入山ブドウ谷居住の熊君の行動が激しい。旧スキー場から氏神様の裏までが彼の行動範囲らしい。大体熊のけもの道は曲がりくねっているのが普通なので、この熊は斜面を直進している、私もはじめて見るタイプ。獲物をとらえるには効率的だろうがこちらの恐怖心は増す。

一方、刈尾山、六の谷居住の熊君は行動がおとなしい。もちろん隣接の見浦牧場の放牧場に痕跡は認められているが、牛群の動きは穏やか、やや安心して作業ができる。とはいえ藪の中に入る勇気はない。もうすぐ秋、茸の季節だが指をくわえて傍観するしかない。

例年、道戦峠を越えて旧分教場付近に現れる刈尾山甲繋(コウツナギ)の熊君の消息は聞こえてこない。最近隣村の八幡地区で熊に襲われたと聞くから、今年は餌場を変えたらしい。
最も昨年捕獲されて射殺されたこの地区の熊は長年この地区に出没していた、巨大で年功の熊君だったそうで、後継の熊君はまだ知識の浅い若者かもしれない。

この他、三段峡餅の木付近から小板川に沿って遠征してくる熊君の消息は聞かないから今年は小板地区に出没する熊君の総数は2頭、例年に比較すると静か?である。

最近の新聞報道は、熊の生息数が増えたので来年は捕獲頭数を増やすと報じていた。私たちが熊君が増えたと感じたのはもう10年以上も前だから、都市近辺にも出没するようになってようやく行政が動いたというところだろうか。
熊君が生きていくには5キロ四方とか20キロ四方が必要との説があるが、小板地区のように捕獲して駆除されると翌日には次の熊が着任するというのは、以上な増え方といえる。自然保護と声高なNGOの連中もRCC(広島のTV局)での私の主張には耳を傾けたらしく、最近は山にドングリを撒く運動もしている由、しかし大食漢の熊君の胃袋を満足させるのにはほど遠く、依然として身近に熊君を感じている。

この地方は自然がいたるところに残っていて、都会人が散策をするところ、ウォーキングの人、マイカーの人、道端で不用意に藪の中を覗く人が多い。
熊君の友人?を自認している私にすると、不注意に過ぎないかと心配する。そこに食物連鎖最高位の熊君が身構えていたらどうするのかと、余計な一言の声かけをしているのだが、事故にならないことを祈るだけ。

幸い、ここ2年は事故がない、と思ったら問題発生。出荷した肥育牛にクレームが発生。解体したら、スポット(内出血)があると連絡が来た。ところが原因が思い当たらない。全員で考えていると、和弥(経営主)が、そういえば放牧地の牛群の動きが少しおかしい。熊か?と意見が出た。
さては、とスポットの出た牛舎に行ってみると、隣接する防風林の中が茂りに茂って格好の目隠しになっている。熊君、これを利用して牛舎を訪問、牛を脅かしていた。

あわてて藪刈りをして、不要木の伐採をして熊君の警戒心に訴えた。
おかげで来訪は途絶えたが、今度は旧国道の路上に脱糞を発見、次はどこに現れるかと戦々恐々。もっとも9月にはいって早生のドングリが落ち始め、食べ物が増えた。今年は柴栗も豊作なので積雪までは大丈夫かなと思っている。

以上、熊君の友人?見浦牧場からの報告です。

2011.9.5 見浦 哲弥

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posted by tetsu at 10:07| Comment(0) | 中国山地の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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