2011年07月20日

「これなーに?」〜見浦牧場の教育論〜

内孫の淳弥が盛んに「これなーに?」を連発しています。彼は見浦牧場の現経営者見浦和弥の次男坊、その姿を見ていると、40年も前に亡くなった父の教えを思い出すのです。

あれは、私の最初の子供、祐子が生まれた時、父が改まって話してくれたのです。

・・・

人は自分の子供は誰も可愛い、そして特別だと思うものだ。その挙句に頭もいいはずだから勉強もできるはずと無理強いをはじめる。世の中にはそんなに天才も秀才もいないのに。

私は30年あまり中学校(旧制)の数学教師をした。広島第一中学校(現国泰寺高校)、熊本第一中学校、福井第一中学校と、各県トップの中学校でだ。第一中学校はその県の優秀な生徒が集まってくる。その中で理数科を選ぶ連中は頭が切れるやつ、そんな連中を3000人教えたんだ。その中で天才秀才と認めたのはたった3人しかいなかった。そんな連中を実際に教えた俺が自分の子供を冷静に見るとみな平凡、一人も天才秀才はいなかった。だから努力の積み上げ以外、自分を高める方法はないんだ。

だが、勉強好きの子供はできる。それは好奇心の強い子供に育てることなんだ。それには最初が肝心なんだ。
子供は2歳から3歳の頃に「おかーさん、これなーに?」を聞く時がある。このときの対応が大切なんだ。聞かれたら本気で答えてやること。「あんたにはまだ無理、大きくなったら教えてあげる」が最も拙劣な対応だと。

子供は意味がわからなくても、大人が本気で答えてくれると、次も安心して聞いてくる。
そして新しいものに興味を示し、疑問を持つこと、答えを探すことに抵抗がなくなる。これが成長するにつれて、彼の性質になって、視野が広がっていく。それが学校での学習にも威力を発揮し始める。もっとも、学科の好き嫌いが大きくなる傾向があるが。

・・・

と教えられたのです。

私の子供は長女の祐子をはじめとして、女3人男2人の5人、いずれも就学時には平均以下だったのが、3年生4年生になるに従って学友を追い抜いていく、そして本校の戸河内中学校に入るころにはクラスのトップを争うようになる。父兄のみなさんが"見浦の子は頭がいい”と評価するのですが、本当のところは誰もしらないのです。「おかーさん、これなーに?」から始まっていることを。

父の教えの通り、「これなーに?」から育てられた好奇心は、人生を自分の力で歩いていくための能力の一つとなって子供たちを支えてくれているようです。
この記事を目にすることで、一人でも多くの親御さんが、お子さんの「これなーに?」を大事にしてあげてくれることを願っています。

2011.1.30 見浦 哲弥
posted by tetsu at 16:59| Comment(0) | 人々に学ぶ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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